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保育園のBCP対策はどう進める?

保育園の開業前に確認したいBCP対策の必要性や、策定時の流れなどをまとめています。会社の敷地内に保育園の開業を考えている経営者は、ぜひ参考にしてみてください。

BCP対策が保育園で必要な理由

BCP対策とは、自然災害や感染症の拡大などの非常事態に備え、被害をできるだけ抑えながら事業の継続や早期再開を目指すための対策です。保育園は小さな子どもを預かる施設であり、災害や感染症が発生した場合でも、安全確保・保護者への連絡・必要な保育体制の維持が求められます。特に企業内保育園では、従業員の勤務継続や地域の子育て支援にも関わるため、事前の備えが重要です。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第九条の三では、感染症や非常災害の発生時に、利用者への支援提供を継続的に実施。非常時の体制で早期の業務再開を図るための業務継続計画の策定、職員への周知、研修・訓練の実施などが定められています。開業後に慌てて対応を決めるのではなく、平常時から役割分担や連絡体制、避難方法を整えておくことが大切です。

参照元:e-Gov 法令検索|児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 | 第九条の三(業務継続計画の策定等)(https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100063

BCP対策を行わなかった場合のリスク

保育園でBCP対策が未整備のままだと、非常時の判断や行動が遅れ、園児の安全確保に影響が出る可能性があります。地震や台風などの自然災害、感染症の拡大が起きた際、避難方法や保護者への連絡手段、職員の役割分担が決まっていなければ、現場が混乱しやすくなります。備蓄品や避難先の確認が不十分な場合、園児を安全な場所へ誘導するまでに時間がかかることもあるでしょう。

また、災害時の対応が不十分だった場合、保護者や地域からの信頼低下につながるおそれもあります。保育の再開が大幅に遅れれば、従業員の就業にも影響し、企業内保育園としての役割を果たしにくくなるでしょう。さらに、園児や職員の安全確保に関する責任を問われる可能性もあります。開業前の段階からBCPを整備しておくことで、緊急時の対応方針を職員間で共有しやすくなります。BCP対策は単なる書類作成ではなく、園児・職員・保護者を守り、施設運営を継続するための備えです。

保育園が行うべきBCP対策の流れ

ハザードマップ・感染症リスクの確認

保育園のBCP対策では、まず園が立地する場所の災害リスクを把握することが大切です。自治体のハザードマップや国土交通省のハザードマップポータルサイトを確認し、洪水・高潮・内水氾濫・地震・津波などの影響を調べましょう。企業の敷地内に保育園を開業する場合は、建物だけでなく、周辺道路の冠水リスクや避難先までの距離、保護者が迎えに来るまでの動線も確認しておく必要があります。避難経路が複数あるか、停電時でも安全に移動できるかも見ておきましょう。

あわせてインフルエンザなどの集団感染が起こりやすい感染症も想定し、感染者が出た場合の保護者連絡、休園判断など自治体や保健所との連携を前提に整理しましょう。

組織内で役割を決めておく

災害や感染症が発生したときに現場が混乱しないよう、BCPでは組織内の役割をあらかじめ決めておく必要があります。園長が全体を指揮する本部長となり休園や再開の判断を行い、情報担当が行政・保護者への連絡や情報収集を担う、現場担当が園児の安全確保や避難誘導を行うなど、誰が何を担当するのかを明確にしましょう。

また、生活担当として食事の確保や備蓄品の管理を担う職員を決めておくと、避難後の対応も進めやすくなります。重要なのは、責任者が不在の場合の代行ルールまで決めておくことです。園長が不在なら主任保育士、主任保育士も不在なら副主任が指揮をとるなど、複数段階の代行順位を設定し、全職員に共有しておきましょう。開業前から役割表を作成し、訓練で実際に動きを確認しておくと、非常時の初動がスムーズになります。

災害時の連絡先を複数設定する

大規模災害では、電話やインターネットがつながりにくくなることがあります。そのため、BCPでは連絡手段を1つに絞らず、複数設定しておくことが大切です。職員向けには、日常的に使っている連絡ツールに加え、メール・SMS・災害用伝言ダイヤル・園舎への掲示など、段階的に切り替えられる連絡方法を決めておきましょう。

保護者への連絡も、連絡帳アプリや一斉メールだけに頼らない体制づくりが必要です。LINE公式アカウント・園の公式SNS・Googleビジネスプロフィール・電話連絡網・避難先への掲示などを組み合わせることで、情報が届かないリスクを抑えられます。

特に企業内保育園では、保護者が同じ敷地内や近隣で働いているケースも。勤務先の総務・人事担当者や防災担当部署との連絡ルートも確認し、災害時に園児の引き渡しや勤務調整を進めやすい体制を整えておきましょう。連絡先は定期的に更新し、訓練時に実際につながるか確認することも大切です。

備蓄・避難方法の選定

保育園のBCPでは、園児と職員が非常時に安全を確保できるよう、備蓄品と避難方法を具体的に決めておく必要があります。飲料水・食料・簡易トイレ・衛生用品・毛布・防災頭巾・名簿・連絡先一覧など、災害時に必要なものをリスト化しましょう。企業内保育園の場合、保護者の迎えが遅れる可能性も想定し、一定時間は園内で待機できる備えが必要です。

備蓄品を用意する際は、園児の年齢や健康状態にも配慮します。乳幼児がいる園ではミルク・おむつ・おしりふきなどを確保し、食物アレルギーのある子どもがいる場合は、アレルギー対応食も含めて準備しましょう。賞味期限や使用期限があるものは、定期的に確認し、普段から使いながら補充するローリングストック方式を取り入れると管理しやすくなります。

避難方法は、園児の年齢や発達段階に合わせて選定することが大切です。0歳児は避難車、1〜2歳児は避難車や手つなぎでの誘導、3歳以上は防災頭巾を着用して徒歩避難するなど、具体的な動きを決めておきます。避難経路や避難先は複数確認し、訓練を通じて職員全員が動ける状態にしておきましょう。備蓄品の保管場所や、避難時に誰が何を持ち出すかまで決めておくと、非常時の混乱を抑えやすくなります。

感染症への予防・段階に応じた対応を設定する

保育園のBCPでは、自然災害だけでなく感染症への対応も決めておきましょう。インフルエンザ・ノロウイルスなどは、園内で広がるとクラス閉鎖や休園につながる可能性があります。そのため、平常時から体調確認・手洗い・手指消毒・咳エチケット・換気・よく触れる場所の消毒など、基本的な予防策を職員間で徹底しておきましょう。

感染症対策では、すべての人の血液・体液・分泌物・排泄物などを感染の可能性があるものとして扱う「標準予防策」の考え方が基本です。嘔吐物や排泄物、血液に触れる場合は、手袋・マスク・エプロンなどを使い分け、処理後の手洗いや消毒までの手順化が重要になります。特に乳幼児を預かる保育園では、食事・排泄・午睡・遊びの場面で接触が多いため、日常的な衛生管理が感染拡大防止に効果的です。

また、感染拡大の段階に応じた対応もBCPに盛り込んでおきましょう。平時は備品の補充や職員研修を行い、地域で流行が始まった段階では検温や消毒の頻度を強化します。園内で感染疑いが出た場合は、体調不良の子どもを別室で見守り、保護者や必要に応じて保健所へ連絡。感染者が確認された場合は、行政の指示を確認しながら、クラス閉鎖・休園・職員シフトの再編・保護者への周知を行います。

保育委託業者の
選定ポイントは
「どの保育施設」
特化しているのか

企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。

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