幼稚園と保育園にはそれぞれに別の基準があります。
認定保育園とは、保育を希望する人がより利用しやすいように、双方の異なる基準をすり合わせたうえで川崎市が制定した条件を満たした保育園です。
認可保育園は国によって設置基準が定められていますが、認定保育園は川崎市によって基準が決められています。つまり、国の基準を満たしていなくても、川崎市の認定があれば認定保育園として開園できるのです。
待機児童問題は解消されていませんが、その反面、働いている人だと預けにくい幼稚園の園児は年々減少傾向にあります。その理由は保育時間や職員の資格など双方の運営基準が利用者のニーズにあっていないからです。この状態を解決するために制定されたのが認定保育園です。
認定保育園は、幼稚園と保育園のメリットを合わせることで双方のデメリットを解消しています。その中でも特徴的なのが入園条件です。
認可保育園は、保護者が就労していることなどの条件がありますが、認定保育園は保護者の状況に関わらず入園できます。また幼稚園では乳幼児の預かりはありませんが、認定保育園は0歳児保育を行っています。
保育時間は認可保育園に準ずるなど幼稚園よりも長時間の保育が可能なので、様々な世帯に対応できるのが特徴と言えるでしょう。
認定保育園は、施設の規模や職員数などの基準が緩和されているため、認可保育園よりは開園しやすくなっています。また、定員は10名以上ですから、小規模な運営を可能にすることで多くの認定保育園が作れるように工夫もされています。基準がゆるくなっている分初期投資も抑えられるので、経営のハードルも低いと言えるでしょう。
ただし、社会福祉法人設立認可申請書を提出したり、必要人員を揃えたりといろいろな準備をしなくてはいけません。窓口も川崎市ではなく各施設になりますから、その対応力も必要なので、専門的な知識がない状態での経営は難しいと言えるでしょう。
認定保育園は認定されれば補助金が出ますから、その分審議も厳しく、認可外保育園のような自由はありません。理想の保育があるとしても、それだけで開園運営できるものではないので、開業に関しては委託業者を利用するのが近道です。認定保育園は川崎市が定めた基準をクリアしないと開園できませんから、委託をしないとしてもコンサルティング会社に相談して進めていくのがベストといえるでしょう。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。