ここでは、マンション内に保育所を導入した事例をご紹介します。
残念ながら、マンション内に保育所を導入しているところはまだまだ少ないらしく、導入事例もほとんどありませんでした。
しかし、マンション内に保育所を導入することは、子育て世帯の入居率が高い大規模マンションに保育施設を導入することで、待機児童の解消を図れるとして、国が2017年10月ごろより力を入れています。
自治体が都市部では保育所を設置しようとしても、必要な土地を見つけるのが困難となっています。運よく適当な土地が見つかったとしても、近隣住人からの反対によって保育所建設が先に進まないケースが少なくありません。マンション内に保育所を併設することは、こういった問題を解決することにもつながります。
次に、マンション運営者側・子どもを持つ側のメリットを紹介します。
マンション経営者側 | 子どもを持つ保護者側 |
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・分譲マンションの販売促進 ・賃貸マンションの空室率低下 ・回転率向上 |
・子どもが近くにいるという安心感がある ・マンション内に保育所があるので、 母親も安心して働くことができる ・住民同士による情報共有の活発化 |
次にマンション内に保育所を導入した事例を紹介します。
東京都板橋区にある保育所併設マンションの事例です。開発業者は、板橋区からの要請を受けて、同マンション内に認可小規模保育事業所を整備しました。
その後、マンションの管理組合が保育所の所有者となり、保育所を運営事業者に貸し出して賃料を受け取り、その中から固定資産税を捻出しています。保育所の運営は、開発業者のグループ会社が行っていますが、保育所運営は人件費の負担が大きいため、単体運営での採算は厳しいと考えているそうです。
今後、同様な保育所を増やすかどうかは、自治体と協議しながら慎重に進めていきたいとしています。
参照元:ニッセイ基礎研究所公式HP(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=59317?pno=2&site=nli)
某開発業者は、東京都台東区にある賃貸マンション内の1階に認可小規模保育事業所を建設しました。台東区では100戸以上のマンションを建設する際、事業者に届け出を義務付けており、届け出を受けて保育所設置の要請を開発業者に申し出ていました。 開発業者で周辺調査をした所、待機児童が多いことが分かり保育所設置に踏み切ったそうです。 マンションの2階以上が居住用となっているため防音対策を行い、入居者からは苦情がでていないそうです。入居者から保育所の入園希望はありますが、認可保育所であることを説明し理解を求めている状況となっています。
参照元:ニッセイ基礎研究所公式HP(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=59317?pno=2&site=nli)