人手不足の問題が深刻化している保育園スタッフ。自園で働いてくれる保育士を募集・採用する方法がいくつかありますので、まずはそれぞれの採用方法の特徴について、しっかりと把握しておきましょう。また、採用を行う前に、適切な採用基準を設けておくことも重要です。面接時に適性を見抜きやすくなりますし、また、早期退職の防止にもつながります。
人手不足は、多くの保育園が経営上で直面する大きな問題です。この問題を解決できるかどうかが、運営を続けられるか否かにかかっているといっても、過言ではないでしょう。構造的に介護業と共通する部分が多く、かなりのタフさや責任が求められる仕事内容であるにもかかわらず、収入が低いということが、人手不足問題の背景にあります。
人材不足の中、採用のチャンスを少しでも高めるためには、さまざまな媒体や機関の特徴をふまえ、自社のニーズに合う採用方法を検討していくことが大切です。
冊子やフリーペーパーなどの紙媒体による求人情報です。転職活動などの際に紙媒体で求人をさがすのは、中高年の方が多いようです。ですから、新人ではなく経験のある保育士を採用したい場合には、紙媒体を活用してみるとよいでしょう。
ネット上で保育士の求人を行うサイトです。エリアに特化したものや実際に勤務していた保育士による体験談を紹介したものなど、さまざまなコーナーが設けられていたり特集が組まれていたりします。そのため、現場の雰囲気を知りたいと考えている保育士などに興味をもってもらいやすくなります。
ハローワーク内にある求人検索端末に、保育園の求人情報を掲載する方法です。求人情報を、ハローワークが運営するウェブサイトに公開してもらうことも可能です。また、掲載の延長申請にも対応してもらえるので、長期にわたって募集をかけ続けたい場合などは、特におすすめです。
アドバイザーに仲介役を依頼し、登録された保育士の中から希望の人材を紹介してもらう求人方法です。仲介役が求職者とやり取りした上で、さらに面接スケジュールや合否連絡なども代行してくれるので、採用業務の負担をおさえることができます。
自園の公式HP内に、スタッフ募集のコーナーを設けてみるのもよいでしょう。現在保育園を利用している園児の保護者の目にふれる可能性があるので、そこから紹介に至るケースも考えられます。また、自宅から通勤できるエリアでの転職を考えている保育士も、近くにある保育園のHPなどを検索している可能があります。
あらかじめ採用基準を設定しておくことで、客観性をもって応募者を評価しやすくなります。客観的に評価しているつもりでも、実際には何らかの偏りが生じてしまうものです。そうなると、公正さを欠くことになり、応募者の不満が生じやすくなります。
また、採用基準がしっかりしていれば、採用後に早期退職してしまうなどのリスク低減にもつながります。身体的にも精神的にも負担の大きな仕事であるため、保育士としての適性を、できるかぎり正確に見極める必要があるのです。
仕事内容や労働環境に対して給与が低いことが主な原因となり、保育士の採用が決して容易とはいえない状況が続いていることを、ますは認識しておく必要があります。その上で、なんとか妥協点を見つけたり折り合いをつけたりすることで採用基準を考えていくようにしましょう。
求める保育士像を明確にすることが大切です。求人情報にも、その保育士像について、わかりやすく記しておくことをおすすめします。そうすれば、自園の方針や考え方が求職者に伝わりやすくなるからです。また、採用人数についても、あらかじめ決めておくようにしましょう。
保育士の採用は、必須ではありません。運営会社が適正な保育士配置を行ってくれます。人材不足の問題があっても、複数の保育園の運営をしている大手の会社であれば、近隣エリアにある保育園との協力体制を築くことができるので、ヘルプ勤務などにより、お互いに助け合いつつ保育園を運営していけるわけです。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。