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地域型保育事業

地域保育事業とは、特色ある4つの事業形態から成る「子ども・子育て支援新制度」です。安心・安全に子育てできる場所を確保し、子どもたちが健やかに成長できるようにと創られました。対象となる児童は原則として0~2歳児。3歳児以降の子どもは連携する園に優先的に転園することができます。

子育て事業の保育サービス水準の低下や待機児童問題解決の糸口となり得る制度として注目されています。

地域型保育事業とは

保育施設に対して認可基準を与え、保育士の質やサービスの向上を図り、子育てのサポートを行う地域型保育事業。日本では0~2歳の待機児童がもっとも多く、その対策として推進されています。共働き世帯の増加や就業形態の多様化により、生まれる多種多様な保育ニーズに対応するための制度が地域型保育事業なのです。

地域型保育事業の種類

小規模保育事業

比較的小規模な保育事業です。認可定員が少ない保育なので、ひとりひとりの子どもたちに配慮したサポートを行いやすいのが特徴です。容易に用地や物件の確保ができるというメリットがあり、開園に至るまでの期間が短く済みます。そのため保育スペースも多様なものを採用できるので、都市部の待機児童解消施設として注目されています。

家庭的保育事業

認可定員を少人数に設定することで、家庭的な雰囲気のなか、子どもたちひとりひとりに配慮した保育を行うことができます。家庭的保育事業に従事するにあたり、保育士や看護師等の資格所有の義務はありませんが、市町村指定の研修を修了しなくてはいけません。実際は保育士資格保持者が従事することが多く、保育者ひとりにつき3人の子どもを預かります。保育者の目が行き届き、徹底した保育サービスを行って欲しいというニーズに応えています。

事業所内保育事業

企業が設置する従業員のための保育施設という意味合いが強いでしょう。ただ、地域枠として地域住民の子どもを受け入れる事業もあり、地域共生社会の貢献にも繋がっています。

事業所内保育事業を利用できる児童の対象年齢は0~2歳で、地域の児童が卒園した後の進級先については、認可保育園、認定こども園、認可幼稚園と連携契約を結び、受け皿を確保することが必要となってきます。事業所保育事業は市町村によっては設備及び運営について認可基準を満たす必要があるので、しっかりと確認しましょう。

居宅訪問型保育事業

障害や疾患により、集団保育が難しい児童のために、保育が必要な子どもの住居に訪問します。基本的に1対1での保育なので、十分な配慮を行いながら必要なケアが可能です。保育者は保育士の資格を所有しているか、保育士と同等以上の知識・経験を持っている必要があります。

ちなみにこの1対1での保育制度は地域型給付と言い、そのベースの仕組みは国が用意します。この仕組みを使って、各基礎自治体が地域の保育需要に合うような形で運用するのです。都市部の待機児童の多い保育では、この保育の仕組みを利用して待機児童対策が行われています。待機児童対策として居宅訪問型保育事業を利用する利用者の方はほとんどが保育園(施設)での生活を次に控えているので、保育園での集団活動にスムーズに移行できるように主に生活習慣の面からサポートを行うことが必須です。

へき地保育所

①へき地教育振興法の規定により、へき地手当の支給の指定を受けているへき地学校の通学区域内

② 一般職の職員の給与に関する法律の規定により、特地勤務手当の支給の指定を受けている公官署の4キロメートル以内

人口減少地域で、保育園の定員を60人以上とすることは困難だが、20人以上の保育需要の継続は見込まれる場合にのみ、へき地保育所という小規模保育所(認可保育所)を設置することができます。へき地保育所を設置するには市町村長の認可も必要です。

地域型保育事業の認可基準について

事業種別 0~2歳児の児童数:職員数 職員資格 保育室 給食
小規模保育事業 A型
(ミニ保育所に近い人数)
保育所の配置基準

1人
保育士 0・1歳児1人あたり3.3㎡
2歳児1人あたり1.98㎡
自園での調理、
または連携施設からの搬入。
適切な調理設備・調理員
の設置・配備。
B型(中間) 1/2以上が保育士であり、
それ以外は研修を受講
C型
(家庭的保育に近い人数)
3:1
(補助者を配置すると5:2が可能)
家庭的保育者 0~2歳児1人あたり3.3㎡
家庭的保育事業 3:1
(家庭的保育補助者を配置すると5:2が可能)
家庭的保育者(家庭的保育補助者) 0~2歳児1人あたり3.3㎡
事業所内保育事業 定員20名以上:保育所と同様の基準
定員19名以下:A型・B型小規模保育事業と同様の基準
居宅訪問型保育事業 1:1 保育士、保育士と同等以上
の知識・経験を持ち、
必要な研修を修了した職員
基準なし

参考:子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)

市町村ごとの運営基準をチェック

市町村ごとに運営基準が設けられており、これを遵守しなければ施設型給付・委託費・地域型保育給付のような給付金を受け取ることができません。そのため、市町村を主体とした運営基準のチェック項目を満たしたうえで、地域型保育事業に努める必要があるのです。

具体的にチェックされる項目は以下のとおりです。

上記はほんの一例ですが、市町村はこれらの運営基準から、地域型保育事業が適切な保育サービスを提供しているのか、今後も地域型保育事業としての役割を果たせるのかを判断します。そのため、運営前にこれらの基準をしっかりと遵守しているのかを確認する必要があるのです。

地域型保育に必要な「連携施設」

「地域型保育事業」としての認可を受けるためには、「連携施設」となる認可保育施設を確保しなければなりません。連携施設には「給食の搬入(自園で給食の調理をしない場合)」「定期的な合同保育」「嘱託医による合同健康診断」などのほか、「園庭の解放」「保育者が急病になった際の代替保育」「行事参加への受け入れ」「3歳の卒園後の受け皿」といったことが必要となります。

連携施設が必要になる事業

「地域型保育事業」において連携施設が必要になるのは、定員は6~19人以下となる「小規模保育事業」、家庭的な雰囲気の中できめ細やかな保育を実施する「家庭的保育事業」、事業所内で従業員のために保育施設を設ける「事業所内保育事業」などです。

近年では連携施設が不要になりつつある

ただ、保育事業者が連携施設を確保できているケースは、2018年4月の段階で約63パーセントと、必ずしも高い数字ではありませんでした。そこで法改正による改善が行われ、2020年4月からは、小規模保育事業等で保育を受ける子どもたちについて、市町村長が卒園後、保育所を優先して利用できるようにするといった措置をしている場合は、受皿連携施設の確保が扶養となりました。これによって自治体が前向きに受け入れ先を設けている場合、連携施設が不要になったと言えます。ただしこれは自治体によって事情が異なってきますので、各自治体に対して現状を学人する必要があるでしょう。

参照元:特定非営利活動法人 全国小規模保育協議会HP(https://syokibohoiku.or.jp/topics/3-3

しかし、さまざまなノウハウがないと経営も難しい

ただ、いずれにしても保育の事業に関してはさまざまなノウハウが必要となります。豊富なキャリアを持つスタッフがいないと、運営していくのは非常に難しいでしょう。人材というのは得難い財産です。施設の充実や許認可の取得だけでなく、人材の確保についてもしっかりと力を入れていくようにしてください。

保育事業の委託・サポートができる業者が頼れる

上記のように、地域型保育事業を行うにはさまざまなハードルが存在します。そんなときに心強い存在となってくれるのは、保育事業の委託ができたり、サポートをしてくれたりする業者です。行政との折衝に対し豊富な知識と経験を持った専門家が多く在籍していますので、一緒に連携したうえで事業を進めていくことができるでしょう。必要に応じて、こうした事業者を頼ってみるようにしてください。

認可保育園(地域型保育)の民営化がされるケースも多い

また、最近では公立保育園の民営化が行われるケースも出てきています。行政上の手続きを正当にかわすことで一定期間運営を請け負える「委託」、私立保育園として完全に引き継ぐ「移管」の2パターンがありますので、どちらがいいかは行政に相談して、条件などを確認してみるといいでしょう。

待機児童問題を解決する地域型保育事業

地域型保育事業はいわば、多様化する子育てニーズに応える制度です。女性が社会で活躍する場も増え、家庭での子育てが難しいと感じる人も少なくありません。一方で、入園施設が見つからない待機児童(0~2歳児がもっとも多い)が問題となっているのも事実です。

高い認定基準・運営基準が定められた地域型保育事業が浸透することで、質の良いサービスを提供する保育スペースを確保することができます。これにより、大都市をはじめとする待機児童問題・児童人口減少地域増加の解決につながる可能性があるでしょう。

保育委託業者の
選定ポイントは
「どの保育施設」
特化しているのか

企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。

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