「家庭的保育事業」とは、待機児童問題の解消などを目的とした事業です。この事業は国の認可を受けた事業であるため補助金の交付を受けられたり、保育者の居宅により保育サービスの提供ができるなどさまざまな面でメリットがある事業となっています。ここでは、家庭的保育事業の特徴についてご紹介します。
家庭的保育は、しっかりと安全面にも配慮された保育室にて行われます。また、0〜2歳の子どもが対象となっていることから、異なる年齢の子どもが一緒に過ごすといったように、家庭的な環境の中で保育が行われる点が特徴です。
少人数での保育が行われるため、ひとりひとりに対して寄り添った対応を行う点も特徴です。マンツーマンに近い状況での保育となることから、それぞれの子どもが持つ興味や関心に加えて、発達状況や体調などについてもきめ細かな対応が可能となっています。
家庭的保育事業の特徴として、保育者や保育環境が決まっている点が挙げられます。いつも同じ保育者が対応するため、保育者と子どもの間で愛着関係を築きやすい点がメリット。さらに、保育者と保護者の信頼関係も築きやすいといった面もあります。
家庭的保育事業とベビーシッターは混同されがちですが、運営形態や対象年齢などさまざまな面での違いがあります。
家庭的保育事業は認可事業である点に加えて対象年齢が0〜2歳であること、保育者1〜2人に対して子どもが3〜5人の定員となっています。
対してベビーシッターは認可外保育施設に分類されており、対象年齢は0〜12歳と幅広い点が特徴。また、定員は保育者1人に対して子ども1名となっています。
0〜2歳の子どもが対象(3歳になって初めての3月31日まで利用が可能)。ただし、自治体によって保育開始時期に制限が設けられている場合があります。
認定子ども園や幼稚園、認可保育所、ナーサリールーム、企業主導型保育施設のいずれかと連携し、満3歳で家庭的保育事業を卒園する子どもの適切な教育・保育の場を確保することが必要となります(ただし令和6年まで経過措置期間が設けられています)。
原則1日8時間の保育時間となりますが、事業者側にて保護者の状況を考慮し、延長保育や土曜日の開所などを設定可能です。
職員は家庭的保育者(市区町村が行う家庭的保育者研修を修了した保育士など)、または家庭的保育補助者(市区町村が行う家庭的保育者研修を修了した人のうち保育士資格がない人)と定められています。
保育専用室は9.9㎡(6畳)以上が必要ですが、定員が3名を超える場合は、1人につき3.3㎡以上を追加で確保します。保育室を設置する場所は家庭的保育者の居宅などですが、保育専用室のほかトイレや手洗い場、火災報知器・消火器などを設ける必要があるため、どのような設備を設置するかあらかじめ確認することが大切です。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。