2016年から待機児童問題への対策として実施されている企業主導型保育事業は、助成金や基準など認可保育園よりも開設しやすいのが特徴です。しかし、うまく運営しないとトラブルや閉園の危機に立たされることも。そんなときに役立つのが外部への委託です。
自社運営と委託運営のうち、委託運営されている企業主導型保育園で必要な手続きや費用、覚えておくべきルールなどを解説しています。
企業主導型保育事業は比較的基準が緩いぶん、「委託だとコストがかかるのでは」「保護者対応が不安」など、委託に不安を覚える方も多いでしょう。しかし、現在の状況で満足していないのであれば、自社運営よりも委託するほうが円滑な運営をしやすくなります。
運営委託をする場合、助成金や採用コストの関係から自社運営よりもコストは下がります。その理由は、助成金が多少減額されても、保育士を自社雇用せず派遣してもらえるから。
保育士の採用・教育コストは軽く見積もっても1人あたり40万円以上です。雇用人数によってコストは大きくなっていきます。委託運営なら採用コスト・運営時の人件費も委託費に含まれるため、大幅なコストカットが可能に。
ただし、保育士の派遣や自社雇用を行っていない委託会社も多いので事前に確認しておきましょう。
サポート力を売りにしている委託会社では、助成金申請や監査対応なども対応してくれます。助成金申請や監査対応はノウハウがないと審査に通らないこともよくあるため、対応実績のある委託業者に頼むことで自社の負担を減らせます。
低料金でアドバイスのみのところ、まとまった金額で手続きまで全て行ってくれるところなど多数の業者があるので、目的と費用を考えたうえで適した業者を選ぶことが大切です。
企業内保育園を運営するときに重要になるのが、トラブルが起こりにくい環境かどうかです。サポート体制が整った委託業者なら、これまでの運営経験からアドバイスしたり、サポートしたりとトラブルの原因を事前に解決してくれます。保育人数に対して保育士が少ない、保護者対応がずさんなどの環境をつくらないよう働きかけてくれるのは大きなメリットといえるでしょう。
委託は以下のような流れで行われます。
制度では、委託された業者が別の業者に再委託することを禁止しています。ただ、あくまで直接保育に関わる業務のみで、調理員の派遣や自園調理の委託には制限がありません。
企業主導型保育園の設置には、以下の法令が関わってきます。委託業者が違反すると閉園や助成金の取り消しなどの罰則があるだけでなく、自社のイメージダウンにもつながるので注意しましょう。
企業内保育所の委託事例を紹介しています。委託することになった背景や現状、運営方法の変化、委託後の運営状況などをまとめているので、検討中の方は参考にしてみてください。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。