保育園を経営する際には、税金や保育料制度は重要な経営課題となっています。この記事では、保育園経営に関わる税金の基礎知識について解説します。
法人税や所得税は、基本的に利益(=所得)に対してかかる税金です。そのため、認可保育園(社会福祉法人・学校法人)は、保育事業(第2種社会福祉事業)となるため、原則として法人税はかかりません。
ただし、保育事業とは別の収益事業がある場合には、その収益事業から得た所得に対して法人税が課税されます。
さらに認可・認可外問わず、保育園が株式会社や合同会社の場合には、すべての所得に対して法人税が課せられます。
また一般社団法人・一般財団法人の場合には、非営利型かそれ以外かで課税範囲が異なります。非営利型であれば、原則として収益事業のみに課税されます。
所得税は、保育園経営が個人事業主の場合に事業所得として課税されます。
認可保育園、認定こども園、社会福祉事業に類する事業として行われる認可外保育園の場合、保育料は社会福祉事業として行われる資産の譲渡等に該当します。そのため、基本的に消費税は非課税となります。
希望者のみに販売する物品や、職員から徴収する給食費など、一部の売上に課税されるケースがあります。
固定資産税は、土地・家屋・償却資産(遊具、設備、備品など)に対し課せられる地方税です。保育園の施設も原則として課税対象ですが、社会福祉法人が社会福祉事業のために使用するものや、特定の企業主導型保育事業などでは、減免措置や非課税などの優遇措置がある場合があります。
自治体によって異なるため、確認してみましょう。
事業所税は大都市圏などの指定都市で一定規模以上の事業所に課税される地方税です。社会福祉法人が経営する認可保育園や、企業主導型保育事業など、特定の事業では非課税または軽減措置が適用されることが多いです。
雇用保険・社会保険料は税金ではありませんが、人件費の一部としての費用となります。
雇用保険は、失業給付や育児休業給付などの財源となるものです。従業員を雇用している場合には、事業主と従業員がともに負担します。
社会保険料は健康保険や厚生年金保険の財源となります。法人の事業所や、一定の要件を満たす個人事業所は強制的に適用となり、従業員を加入させる義務があります。社会保険料は、事業主と従業員が折半で負担します。
2025年9月より、東京都など多くの自治体で0〜2歳の第一子についても保育無償化となりました。3〜5歳児の保育料はすでに無償化されており、さらに保護者の負担が軽減されたことになります。
ただし給食費や延長保育料は別途となります。
保育料は保護者の所得(市区町村民税額)を基に決定されるため、保育園は保育料収入より、補助や助成金に頼る傾向が高まっています。
自治体からの補助金や助成金は、保育園経営の大きな収入源です。適切な申請を行い、報告管理をしっかりと行いましょう。
東京都の例のように、所得にかかわらず基本保育料無償化が拡大しています。これにより保育園の収益構造は変化し、税務処理も影響を受けています。
2025年4月より、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」に基づき、保育園などの設置者に経営情報の都道府県への報告と公表が義務付けられています。
また、非営利型法人は税制上の優遇が受けられる一方で、法人形態の選択が経営に及ぼす影響も大きくなります。
保育園に関する税金や保育料制度は、経営上重要な課題となっています。国や自治体の制度も変化しているため、基本的な情報をよく理解し、対応していくことが大事です。
保育料無償化や助成金といった制度を活用し、収益確保につなげることが求められます。
特に税務は専門性が高いため、専門家への相談もひとつの方法です。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。