ここでは、商業施設に焦点を当てた委託保育の事例を、委託保育の種類やメリットと供に紹介します。
商業施設内に併設された保育園では、「家族」をターゲットにしていることが少なくありません。商業施設内には保育園以外にも、豊富な店舗が建ち並んでおり、保護者の方は子どもを保育園に預け、息抜きの時間として利用することが可能です。従業員が安心して子どもを預けられる場所が身近にあるのも魅力でしょう。もちろん、安全を確保した保育ルーム内では、園児も楽しく遊ぶことができます。このように、家族みんなのニーズに合ったサービスを提供するのが商業施設の保育園です。
委託保育園の種類は以下の2種類があります。
単独型とは一社のみが保育園を設置・運営する形態のことです。設置・運営する企業の従業員が保育園を利用でき、さらに地域の住民が利用することが可能なのが特徴です。ただ、地域住民の利用枠は任意で全定員の50%以内となっています。メリットとしては、自社のニーズに合った運営がしやすい点が挙げられます。
企業が共同で保育園を運営する形態です。設置は1社のみで行い、結びつきのある企業との共同利用するもの。設置段階から複数の企業が協力し合い、費用を負担するものの2種類があります。いずれも従業員枠として、共同設置を行っている企業の従業員が利用でき、地域住民の利用枠として、任意で全定員の50%以内で利用者を確保できます。共同型は園児の数が増減しても、運営するに当たって必要な負担を企業同士が分割できるので、経済的負担が少なくて済むのが特徴です。
なお、単独型・共同型の従業員・地域住民が保育園を利用するためには、保護者が就労要件等を満たしている必要があります。
委託保育園によって施設内従業員の働き方に合わせた預かり保育を行っている場合があるので、出勤時・帰宅時の子どもの送迎がラクです。
商業施設では、利用者の多くが地域の子どもたちであることが予想できます。そのため、商業施設内で保育園を運営することにより、商業施設利用者が増え、地域への貢献にも繋がるでしょう。
施設内の保育園を委託した場合、委託会社が保育士の採用から教育まで行ってくれます。また保育プログラムの作成や野外活動のプランなど、自社運営では難しいことも実施することが可能であり、専門性が高いサービスが提供できます。これにより、企業のブランドイメージとしても好印象を獲得することでしょう。このように、委託業者がさまざまなサポートを行うため、運営会社の経営負担が少ないのが魅力的です。
施設ごとの導入事例を見てみましょう。
幼い子どもは体調を崩しやすく、その都度保育園まで迎えに行くのは重労働です。そこで安心して仕事に取り組める環境と生産性の向上を目的として、施設内に保育園を設置しました。結果として、女性従業員の職場復帰や新規採用に最適な役割を担っています。
また園では、心身を健やかに育むプログラム(英会話・体操・リトミック等)を実行し、人間性の基礎を築く手伝いをしています。そして、保護者の負担をできる限り軽減したいという想いから、使用済みオムツの廃棄や清潔な寝具の用意を保育園側でサポートしているのも好評です。
安心・安全に初めてのお泊まりができることをコンセプトに委託保育園を導入しました。多様な不安を抱えながらも、親切丁寧にサポートしてくださり、何事もなくオープンできたことが何よりです。
保護者様はお子様を預けている間に温泉に浸かったり、エステを利用したりと、日頃の疲れを癒やしています。日帰りの利用や結婚式での利用など、多彩なシーンでも活用できることから、多くのリピーターを確保できているのもありがたいことです。1日20名以上ものお子様を預かる日もあり、好評の施設となっています。
ホテルの大広間を思い切って改修し、保育施設を設立しました。当ホテルの所在地域では、多くの待機児童を占める0~2歳児の児童をメインにした保育サービスを提供しています。
また従業員への聞き取り調査等により、日曜保育の需要の高さも確認。待機児童問題解消に向けて順調に運営中です。従業員枠では、清掃員として働いている従業員のお子さんを預かっており、勤務時間帯に当保育園を利用することで、仕事時間中に子どもの様子を見ることができて安心するとの声もいただいています。
地域住民・周辺企業との関係も深めながら、グループ会社での展開も考えています。
若者から高齢者、外国人まで幅広い世代が働くコンビニエンスストア。そのなかでも主婦は子育てや介護といった経験が豊富で、細かい気遣いができ、高いコミュニケーション能力を持っています。そのため、コンビニのような接客業では重宝する存在です。
しかし、近場に保育施設がないことから人材を逃してしまうケースも。そこで保育園を併設し、子育てと仕事の両立ができる環境を作りました。コンビニ店舗のサービスの質を向上し、主婦層の活躍の場を広げることにも繋がります。
美容サロンの中核を担う女性スタッフがより良い環境のなかで、仕事に努められるようにとオフィス隣接型の保育園を立ち上げました。写真を投稿できる専用アプリを保育の連絡帳として活用することで、成長記録やアルバムとして保護者さまに喜ばれるサービスを提案しているのも特徴です。
素人だけではどうしても上手な運営はできません。そのため、法律を遵守し、従業員をはじめ、地域の皆様に満足してもらう園を開設するには、信頼できる専門家に協力してもらうのが最適な手段だと思います。
また、隣接した施設に自分の子がいることで、万が一ケガや病気による迎えが必要になっても、すぐに駆けつけることができるのも魅力的でしょう。これからも仕事と子育てを両立できる場を精一杯提供していきます。
保育施設から離れた支店の従業員も安心して利用できるよう、7時を開所時間に設定。繁忙期には仕事の終了時刻が遅くなると予想できるので、閉所時間は20時までと、余裕を持って利用時間を決めました。
また、紙おむつの持参は何かと手間がかかるため、有料にはなりますが紙おむつ提供サービスも実施し、利用者の負担をできる限り軽減する取り組みも行っています。このような工夫を提案しながら運営しており、女性が積極的に働ける職場として好感触を得ています。
自分の会社の保育園なので、残業による延長保育などに融通が利く面も好印象でしょう。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。