ここでは、委託業者によって違う、保育サービスの質に深く関係するものについて解説しています。
業者に委託して保育所運営をする場合、できるだけ保育サービスの質が高いところに委託したいと考えるのは当然のこと。
委託業者の保育サービスの質を決めるのは何かというと、そこで働く保育士の質に影響される部分がほとんどです。それに加えて、委託業者が行っているカリキュラムの内容によります。
保育所で勤務する保育士ですが、委託会社が自社の社員として雇用している場合と、人材派遣会社から派遣される場合があります。
自社で雇用している場合は、しっかりと研修を行われマニュアルなども整備されているので、保育士の能力は一定以上のレベルといえるでしょう。一方、派遣スタッフの場合は研修などを受けておらず、各人の能力にばらつきが出る傾向にあります。
保育サービスの質をみるときには、自社で雇用している会社を選ぶのがよいといえるでしょう。
保育士の質を見極めるためには、保育士の研修内容を知ることが重要です。保育士は研修や学習によって成長するからです。
研修をみるときには、研修・教育体制がどのような内容で、どれくらいの頻度で行われているかどうかを判断します。研修で行われることは、その会社の保育方針の理解から始まり、経理などの事務・勤怠管理・個人情報保護や災害発生時の対応などの危機管理・ビジネスマナーや給食衛生管理まで様々です。総合的にみるようにしましょう。
自営の保育所の場合は、できる保育サービスの内容も限られてしまいますが、委託する場合は業者によってカリキュラムに幅が出ますし、様々な特色があります。
単に子供を預かるだけでなく教育に力を入れているところは、保育サービスの質が高いといえます。リトミック、英会話、体操など楽しく学べるカリキュラムが充実しているところは、保護者からも喜ばれるのでおすすめです。
保育サービスの質は保育士によるところが大きいので、委託業者を選ぶ際は保育士の研修をチェックすることが重要と述べました。
もう1つ重要なことは、保育士が辞めない環境づくりができているかということです。労働環境が悪く、保育士の離職率が高いと、どれほど研修行っていても保育サービスの質の維持が難しくなるからです。
保育士が辞めない環境とは、会社都合で次々と転勤させたり、複数の保育園にローテーションで勤務させないといったことです。また、人材派遣業者で保育士を就労させているような会社だと、すぐに保育士が変わるので子供も安心できません。
保育士という仕事は、保育所で黙々と毎日同じ作業を繰り返すような性質のものではなく、子供や保護者と接する、人と人との関係を築いていくものです。
以上のようなことを踏まえて、委託業者を選びましょう。研修を行っていてもサポートが少なかったり、金額が高いと保育所運営を継続するのが難しくなりますので、バランス重視で判断してください。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。