このページでは、保育園における医務室の設置について、わかりやすく解説しています。法令によって、認可保育園は医務室を設けることが義務づけられていますが、義務づけられていない保育園の場合も、医務室の必要性を理解した上で、設置するかどうかについて充分に検討を加えることが大切です。
認可外保育園の場合は、基本的には医務室を設けるかどうかという点については、自由に決めることができます。「児童福祉施設最低基準」によって医務室の設置が義務づけられているのは、認可保育園および一部の認可外保育園のみです。
子どもの健全に育成において重要な施設に関する法令である「児童福祉施設最低基準」。重要な施設のひとつである保育園についても、保育園分類ごとに設置義務に関する規則が定められています。ただし、具体的な設置基準については各行政により異なるので、該当するエリアの基準をあらかじめ確認しておくことが大切です。
医務室があれば、ケガを負った園児や、体の調子が良くない園児への対応をスムーズに行いやすくなります。医務室がないと、保育室の隅などで処置せざるを得なくなります。その場合、同じ空間にほかの元気な園児たちがいる状況になるため、処置に専念するのが難しくなることが予想されます。
園児の症状が落ち着くまで、あるいは園児の保護者が迎えに来てくれるまでの時間、安静にしていられるスペースを確保するためにも、医務室の必要性は高いといえるでしょう。
感染症が拡大するリスクをできるだけ回避するためにも、医務室は重要な役割を果たします。園児に発熱や嘔吐、下痢などの症状がみられるときには、感染症の疑いがあると考えるようにすることが大切です。
感染症であった場合、同じスペースで皆が過ごすと、蔓延する恐れがあります。ほかの園児や職員と隔離して蔓延を防止するためのスペースとしても、医務室はとても役立つわけです。
医務室を設ける際におさえておきたいポイント、そして準備しておくべき設備・備品・医薬品について解説していきます。
児童福祉施設最低基準により、対象となる保育園には医務室を設けることが義務付けられていますが、広さや導入すべき備品などについては、詳細な規則が定められていません。そのため、どのような医務室を、どのような形や間取り・設計で設置しているか、という点については、保育園によって異なります。
医務室のある保育園の設計を考える際には、多くの保育園で広く採用されているパターンを参考にするとよいでしょう。おおまかに分けると、次の2パターンがみられます。
医務室を設置する場合には、まずは鍵付きの薬品庫、そして横になるためのベッドを揃えておくことが大切です。
※応急処置・休養の際に利用する場所や機器を配置するためのスペースを確保しておくのも忘れないようにしましょう。
トラブルが発生しやすくなるため、医務スペース近くにOA機器や電話などを置かないようにしましょう。また、仕切りとして使うためのカーテンあるいはパーテーションも準備しておいてください。
ケガや体調不良の園児の応急処置をするのに必要な医薬品として、主に次のようなものが挙げられます。
清浄綿・絆創膏・包帯・ガーゼ・毛抜き・サージカルテープ・三角巾・綿棒・ハサミ・体温計・氷嚢・爪切り・嘔吐処理に必要なセットなど
※鍵付きの入れ物に入れ、園児の手が届かない場所に保管しておくことが大切です。
医務室を設置する場合には、設置することによって、保育室について定められている配置基準を下回ってしまうことにならないよう、注意を払う必要があります。できるだけ余裕を持たせて配置することをおすすめします。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。