ここでは託児所・保育園の運営を委託するときの流れと、委託時の注意点について解説しています。
相談から保育園オープンまで、大まかには以下のように進められます。
信頼できる委託業者を選び、よい関係を保つためには以下の点に注意してください。
託児所・保育園の運営を委託する場合には、円滑なコミュニケーションが大切になります。業者と情報のやりとりを密に行わないと、現場の状況やどういった問題が起きているかがわからなくなるのです。
常に状況報告をしてもらえる業者であればよいですが、そうでない場合はこちらから連絡をして確認しなければなりません。双方でしばらく連絡をとっていないと、依頼側と受託側の保育方針や考え方にズレが生じることもあります。
不安な場合は、運営委託の契約をする際に、業務報告や定例打ち合わせなどに関する取り決めをしておくとよいでしょう。
託児所・保育園の運営方針には、いろいろな考え方があります。子供を預かる以上「子育て支援」をいう意識を持ち、子供にとっての最善を考えるのがベストですが、事業的なことばかり考えると違う方向に行ってしまうことがあります。
業者によっては、低額な委託料を維持するために保育士の給料を下げたり、給食の質を落としたりして運営を続けることがあります。これでは子供のことを全く考えておらずクレームが出ます。
こうした方針だと保育士も定着せず、その結果、保育の質が低下するので園児も集まらなくなり経営困難になるという悪循環に陥ります。保育園の運営方針をしっかりと考えないといけないのです。
託児所・保育園はずっと運営し続けるものですから、サポートを続けてくれるかというのが大切になります。業者によっては、開園まではしっかり行っても、開園後は現場に任せきりでほとんど面倒をみてくれないこともあります。
業者の中には、ビジネス中心の考え方で委託料を急に値上げをしたり、一方的に撤退したりしてしまうところがあります。こうした対応をする業者では、サポート内容にも期待はできません。安心して委託したいならば、こういった部分を事前に確認したり、委託料も事前に契約書に記載したりと、対策を講じましょう。
さらには、現場で働く保育士からの声を運営やサポートに反映してくれる業者を選ぶことが重要です。
民間業者に保育園の運営を委託した場合、保育の質が気になるかもしれません。一般的に「認可外保育園は認可保育園に比べて管理がずさん」というイメージが根強いからです。
そもそも認可外保育園とは、「国の定めた基準を満たしておらず、認可が下りなかった保育園」のこと。条件を満たしていても、自治体の都合で認可されないケースもあります。 ほとんどの認可外保育園は国からの助成金を受けていないこと、保育料の設定が自由であることから、認可保育園に比べて保育料が高くなる傾向があります。
料金システムは様々ですが、預けている子どもの年齢に応じて保育料が設定されていることがほとんどです。例として0歳児は月額5~6万円になることも。 しかし、認可外保育園であっても保育料の上限が定められている自治体もあるので心配はいりません。
ただし、認可外保育園だからこそのメリットもたくさんあります。 たとえば「保護者が共働きの場合に限る」などの入園の条件も厳しくなく、認可外保育園ごとに柔軟な対応をしています。 その他にも、認可外保育園だからこそできる自由で先進的な教育・保育も。中には委託業者と協力しながら、自社の企業理念に沿った教育・保育に力を入れている企業もあります。
また、安心・安全面にもしっかり取り組んでいる認可外保育園も増えてきました。 規制がなく独自性が高い自由な教育で子どもたちの個性と才能を伸ばすことができるため、認可保育園に比べて劣っているどころか、設備・環境にいたるまでハイレベルな認可外保育園も存在しています。
以下では、認可外保育園だからこそできる教育の事例をご紹介します。
音楽やダンス、絵画などのアートを通じた幼児教育に力を入れている保育園も増えています。大人が一方的に教えるのではなく、子どもが自分の頭で考え、創造力や表現力を培うことを重視。次世代を担う人材を育成していきます。
園では外部からプロのアーティストやダンサーを招き、園児たちが“本物”に触れる機会を設けたり、自然とのふれあいで五感を刺激したりと各所様々な創意工夫をしています。 また、自然との触れ合いを重視している認可外保育園もあります。このような保育園では山や川、森など自然の中に出かける時間を多く取っています。泥遊びも「子どもの脳を刺激して創造性を豊かにする」として積極的に採用。 無添加の食事や布おむつなど“ナチュラルな保育”にストイックに取り組んでいる自然派保育園もあります。
プロのスポーツ選手を講師に招き、体を動かす保育を重視している認可外保育園は入園希望者が殺到するほどの人気ぶり。 本来であれば小学校から覚える逆上がり・逆立ち・跳び箱などのハイレベルな運動を指導しています。
他にも、体操やバスケットボール、テニスなど10種目のスポーツを学ぶ機会も提供しています。ただ単に体を鍛えるだけでなく、スポーツを通して協調性や忍耐力も培うことを目指しているそうです。
インターナショナルプリスクールと呼ばれる、国際教育を受けられる認可外保育園もとても人気です。早い段階から子どもに英語や国際感覚を学ばせたいと考えている保護者が多いからです。 外国人講師を招く分、保育料の目安はやや高め。
しかし、高い保育料を払ってでもインターナショナルプリスクールに入れる保護者が少なくありません。幼少期に様々な文化に触れることは人格形成に大きな影響を及ぼしますから、子どもの将来を思って奮発するようです。 プリスクールは、少人数制でアットホームな雰囲気が特徴。バレエや料理なども英語で学びます。子どもは大人に比べて語学の吸収が早いため、あっという間に英語を話せるようになると好評です。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。