ここでは、保育園における衛生管理の重要性についてまとめています。衛生管理を徹底するための方法なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
保育園運営において、衛生管理はなぜ重要なのでしょうか?現代では、飲食店や医療施設などに限らず、保育園や高齢者施設などにおいても衛生管理の徹底が求められています。
保育園には、乳幼児が毎日のように通園します。身体の発達が未熟な子どもを通わせる保護者として、「不衛生な環境には子どもを連れて行きたくない」と考えるのは当然でしょう。
とくに子どもは、感染症によって重症化するリスクが懸念されます。そのため、保育園側は「清潔で、衛生管理を徹底している保育園に子どもを預けたい」というニーズに応える必要があります。
もしも「衛生管理をきちんと行っていない保育園だ」と保護者に判断された場合、口コミなどで保育園の評判が下がることも考えられます。衛生管理の不足によって園の評判が下がれば、安定した運営が難しくなってしまうでしょう。
たとえば冬場などには、ノロウイルスやインフルエンザといった感染症が保育園でも流行します。園児1人が感染症を発症し、あっという間に園内でまん延する…という事態も想定できます。
たとえ衛生管理を徹底しても、感染症などのリスクをゼロにするとは難しいでしょう。しかし、普段から徹底した衛生管理を行うことで、「この環境なら安心して子どもを預けられる」と信頼してもらえるのではないでしょうか。
「衛生管理ができていないと保護者からの評判が下がる」と先述しましたが、衛生管理を徹底すれば、良い評判を得ることもできます。
そして、衛生管理の徹底を継続することで、「衛生管理がしっかりしているから、安心して子どもを預けられる保育園だ」という認識が保護者の間で広まります。保育園のブランド価値が向上し、長く安定した運営を実現できるでしょう。
保育園の衛生管理を徹底するためには、まずは適切な設備を整えることが必要です。そして、実践しやすい管理体制を構築し、スタッフ一人ひとりが高い意識をもって衛生管理を行うことが大切です。
それほど広くない室内であっても、感染リスクのある物をすべて消毒することは困難です。そのため、清掃をしやすい床材や抗菌性のある家具などを導入するのがおすすめです。また、換気設備に不足がないようにすることも大切。室内の換気を十分に行える設備が導入されていないと、あっという間に感染症がまん延してしまう可能性があります。
そのほかにも、「トイレと洗面所を清潔に保てるような動線にする」「手洗い・消毒のための設備を整える」「おむつ交換スペースを設ける」などの対策も重要。まずは衛生管理に必要な設備を導入することから始めましょう。
いくら設備を整えても、実際に働くスタッフの衛生管理が不足していれば、感染症等のリスクは高まります。
そのため、スタッフへの教育が重要。衛生管理にかんするマニュアルを用意し、衛生管理の知識や実践方法をしっかりと教えましょう。マニュアルを用意しただけで安心してはいけません。日々の保育や研修にて衛生管理の実践状況を確認し、徹底管理を継続することが大切です。
保育の現場では、衛生管理以外にもやるべきことがたくさんあります。「忙しくて、つい衛生管理を後回しにしてしまう」というスタッフもいるかもしれません。
そこで、衛生管理チェックリストを作成することをおすすめします。手洗いや消毒、清掃といった項目をリスト化して、定期的にチェックを実施。チェックリストを活用することで、日々の衛生管理作業の漏れをなくしましょう。
保育園の衛生管理には、法的な基準が設けられています。具体的には「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第10条」に示されており、手洗い設備や消毒設備、清掃用具などの設置義務があります。
また、調理した食品を提供する保育園には、食品衛生法で定められた衛生基準も遵守することが求められます。たとえば適切な換気や排水設備などの構造設備のほか、従事者の衛生管理も重要。保育園における衛生管理では、法的な基準を満たす必要があることを覚えておきましょう。
保育園の衛生管理では、まず「実際の衛生管理作業を徹底し、継続させる」ことが重要です。そして、徹底した衛生管理について、保護者へ周知することも大切。
たとえば、保育園のホームページやSNSで衛生管理の取り組みを掲載してみてはいかがでしょうか。保育園が普段から衛生管理を徹底していることが視覚的にわかり、信頼性を高めることができます。
これから入園を検討している保護者に、「衛生管理をきちんと行っている保育園だ」とアピールすることもできるでしょう。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。