保育園は小さな子供を預かる場なので、もし不審者が侵入したら最悪のケースも考えられます。現実に事件も発生しており、どこの保育園であっても起こりうる可能性があるのです。このページでは保育園の不審者訓練について紹介するので、対策を講じる際の参考にしてください。
大人が不審者に対して細心の注意を払っていたとしても、子供自身が注意しなければ防犯は難しいでしょう。まずは子供の防犯意識を高めることが大切です。
「いかのおすし」は、平成16年度に警視庁少年育成課と東京都教育庁指導企画課が考えた防犯標語であり、子供にも覚えやすい言葉なので、意識付けとしては効果的でしょう。
ただ顔見知りでも急に襲ってくる事件もあり、知らない人だけでなく、知っている人にも注意させなければなりません。
上記のようなポイントを押さえた指導が大切になってきます。
子供を守るためには、保育士の行動が重要になってきます。基本的には保育園が制作したマニュアルに則って行動しなければなりません。ただ不審者が突然乱入した場合、一番大切なことは冷静な行動です。保育士が動揺してしまうと、子供にも不安が伝染してしまい、冷静な行動ができなくなってしまいます。
もちろん保育士も人間なので恐怖があるのは当然ですが、臨機応変に対応できるよう様々なシミュレーションで訓練をしておきましょう。
上記のような行動をとるようにシミュレーションすることが大切です。また不審者が外にいるなら、室内に避難したうえで、カーテンなどで不審者から隠れるようにしましょう。
いざというときのために不審者への対策が重要になってきます。ここでは不審者対策について具体的に見ていきましょう。
たとえば毎日父親か母親がお迎えにくるにもかかわらず、急遽祖父母が来るケースもあります。そのとき「祖父です」と言われただけで、保育園の中に案内するのは大変危険です。普段とは違う人がお迎えにくるなら、事前に連絡をしてもらい、来園する方の名前・連絡先などを聞くようにしましょう。また園内に案内する前に名前・連絡先などを記してもらうなどの対応を徹底してください。ほかにも業者など、いつもとは違う方を保育園に迎える場合には事前確認が大切です。
もし不審者が侵入した場合、「不審者が侵入した」とスタッフにマイクなどで周知すれば不審者を刺激する恐れがあります。また万が一、不審者出ない場合に相手に対して失礼になってしまうので、周知を遅らせてしまう要因になりかねません。そのため園内だけで伝わる合言葉を決めておきましょう。たとえば「〇〇の時間です」など普段は行っていない活動を伝える、音楽を流すなどの合言葉で周知を促せば、不審者に知られることはありません。また合言葉は全スタッフが理解し、すぐに行動できるようにしてください。
防犯訓練は非常に大切です。何度も何度も繰り返し練習を行い、自分自身が行うべき行動を把握しておけば、いざというときも冷静に対処しやすくなります。また防犯訓練は園児が全員園内にいるケース・お散歩に出かけているケース・正門から不審者が侵入したケースなど色々なシミュレーションを想定しておくことが大切です。いろいろ試すことで臨機応変に対応しやすくなるだけでなく、保育園の危険な箇所などを把握しやすくなります。
不審者対策の一環として、名札を外し登園・降園するケースも増えています。名札をつけてしまうと、園児の名前が不審者にばれてしまい、保護者のふりをして園内に侵入する恐れも高くなるでしょう。そのため保育士は名札の外し忘れがないように確認することが大切です。またカバン・帽子などは全て内側に記入するように保護者にも徹底させてください。 また名前ではなく、マークで自身の持ち物を表すケースも増えています。
2021年11月に宮城県登米市の認定こども園で、刃物を持った不審者が侵入する事件も発生しています。逮捕された31歳の男性は「小さな子どもを殺して死刑になりたかった」といった供述をしており、子供の殺害を目的に侵入したようです。
このときの侵入方法は認定こども園の柵を乗り越えようとしたところを職員が見つけ、手を抑えバランスを崩し、園内に転げ落ちたとのこと。その際に隠し持っていた包丁を振り回しましたが、複数の職員によって取り押さえられました。
事件の直前、園庭にいた子供を園内に避難させたうえで「どうしましたか」と声をかけるなど、冷静な対応によって子供の安全を確保しています。
企業や病院の保育所は、働く人の環境もニーズも異なります。だからこそ、「どの保育施設に強いのか」「どのような特徴があるのか」を前提に委託業者を選ぶのがポイントです。